KEYTEC KC-DALI-COUPLER DALI-2 Multi-couplerを調べて動作確認してみた

はじめに

今回は、KEYTEC KC-DALI-COUPLER DALI-2 Multi-couplerを使ってみて、どのような動作をするのかDALIモニターを通して確認してみます。

ModeとConfigのダイヤルがそれぞれ付いていて、DALI線が2本と押しボタンなどに接続する用の配線が4本存在しています。表面的な情報は以上のようです。

ボタンとの接続

こちらの8ボタンのキーパッドを使用してみます。

ボタンの裏面はこのようになっています。IO1から2本同じの配線が存在していて、この配線が接触したときに「ボタンが押された」という判定がなされるようです。

接続はWAGOコネクタなどを使用して簡単に仕上げてみました。

ボタン側の各色片方をComにまとめて繋いでしまい、その他はIO1ならT1とペアにして接続しました。同様にIO2はT2に接続しています。

Configのダイヤルについて

Configのダイヤルを回すことによって、スタートさせたいDALIアドレスの数値を決めることができます。DALIアドレスの0から操作したいということであれば、ダイヤルを0合わせる必要があります。0から合わせるのが不都合で1からスタートさせたい場合は、ダイヤルを1に合わせてください。

こちらのKC-DALI-COUPLER複数台使用して、2個目のConfigダイヤルを設定する必要が出たら、ダイヤルを4か5に設定すれば良いということになりますね。最後に使用したダイヤルの数値からプラス1したダイヤルに合わせれば、問題なく動作すると思います。

今回の接続では、Configを0か1に合わせた状態でテストをしてみます。

各種モードについて

公式のマニュアルでは、こちらのように解説されています。

Modeのダイヤルを1~8の各番号に合わせることで、様々な機能の切り替えが可能なようです。

Mode=0 IDモードの動作

Modeのダイヤルを0に合わせた状態だと、IDモードで動作します。

こちらを使用すると、ボタンの押下状態のステータスをモニタリングすることが可能なようです。

DALIモニターのログに出力されているCommandにDATA=9, DATA=11, DATA=12という具合の数値が拾えました。

■Mode=0 IDモードの動作
EVENT received with DATA = 9 (0x009) ボタンを押した
EVENT received with DATA = 11 (0x00b) ボタンを押してから長押ししている
EVENT received with DATA = 12 (0x00c) ボタンを離した

こちらのログの内容としては、「ボタンを押して、しばらく押したままで、ボタンを離した」という動作をしたログだと判断できます。

Modeのダイヤルを0にあわせたIDモードでは接続されているボタンが押下されているかなどの状態を確認するのに適していそうです。

Mode=1 GCモードの動作

Modeを1に切り替えて、次のような操作をしてみました。「ボタンを押す→ボタンを押す→ボタンを長押し→ボタンを長押し→ボタンを押す」そのときの操作ログがこちらの画像です。

■Mode=1 GC(Group controller single button)モード
・単押しでOn/Offのコントロールが可能
・長押しでRaise/Loserのコントロールが可能

操作して調べたところ、1ボタンの操作でボタンに対応したグループのオンとオフ、照明の明るさを上下させる操作が可能なようです。1ボタンで多機能な操作をさせたいときに適してそうですね。

Mode=2 GCDモードの動作

GDCモードでは、1つのグループを操作するのに2ボタン使用します。つまり、配線としてはグループ0を操作するのに配線のT1とT2を使用するということです。操作としては次のようになりました。

■Mode=2 GCDモード(Group controller dual button)
・T1に該当したボタンの単押しで、グループ0をOff、長押しするとLowerが走る
・T2に該当したボタンの単押しで、グループ0をOn(フル点灯)、長押しするとRaiseが走る

2ボタンでOn/Off、Raise/Lowerの動作をさせたいときに適している感じがします。

Mode=3 GCTuWhモードの動作

GCTuWhモード(Group controller tunable white)では1つのグループを操作するのに4ボタン使用します。可能な操作は次のとおりです。

グループコントロール:

  • 複数の照明器具(グループ)を制御するためのモードです。
  • すべての入力(T1~T4)が1つのグループに対して動作します。

調光と色温度の制御:

  • T1、T2: 照明の明るさ(調光)を調整。
    • T1: OFFとDOWN(暗くする)
    • T2: 最大レベル(Max Level)とUP(明るくする)
  • T3、T4: 照明の色温度を調整。
    • T3: 色温度を暖かく(Warmer)
    • T4: 色温度を冷たく(Cooler)

操作例

  • T1を短押し: 照明をOFFにする。
  • T2を長押し: 照明を徐々に明るくする。
  • T3を短押し: 色温度を1段階暖かくする。
  • T4を長押し: 色温度を徐々に冷たくする。

DALI TYPE8の動作に対応した器具を使用しているときに、明るさと色温度のコントロールが可能なようです。多機能なことをしているので、混乱しないように注意が必要です。

Mode=4 SCモードの動作

SC(Scene Controller)モードの動作は非常にシンプルです。T1からT4に接続されたボタンを押すことでシーン0~3(もしくは1~4)を呼び出すことが可能です。

長押ししても特別な操作はとくにありませんでした。シーンの呼び出しなので、シーンが設定されていないと器具側に変化が現れません。シーンを設定してから動作させてみましょう。

Mode=5,6,7,8の動作

ダイヤルを5~8に合わせるとダイヤル側から呼び出すシーンの番号を変更することができます。

ダイヤルを5に合わせた状態でT1に該当したボタンを押すと、シーン0が呼ばれます。

ダイヤルを6に合わせた状態でT1に該当したボタンを押すと、シーン4が呼ばれました。

複数のシーンをたくさんのボタンからシーンを呼び出す際に役立ちそうです。

まとめ

非常にコンパクトかつ、少ない配線で多機能なデバイスでした。多機能故にやや上級者向けな気もします。DALIを理解していることと、操作に慣れている方向けのデバイスのように思えました。